2006年12月31日

万有引力

それらは無限に遠く
分かち合うこともできないだろう
求め ぶつかり 砕け散りながら
それでも地球は回っているだろう
孤独が震える程に美しかった時代には
赤い林檎さえもが誰かを想うことに耐え切れず
落ちてしまったこともあるらしい
だがそれも今は笑い話
力なく歌う故郷の街に
高く飛べなかった雪中の鳥に
真理を見失った科学者たちに
万有引力はあまりに確実すぎた


万有引力はあまりに確実すぎたんだ


もし今夜 交差点で君が
引き合うような 引き裂かれるような
使いふるされた希望のような言葉とすれ違ったなら
きっと捕まえたり書き留めたりヒット曲のなかに閉じ込めたりしないで欲しい
そこにあったのは無限の遠さのなかで不安定に震える時間の痛みと喜びに似た何か
僕にはその軌跡しか見えない
だからせめて手を振るだけ 手を振るだけで
確かめることもせずにまた散り散りに家へ帰る
ここで一つを終わらせ一つを始め
どんな天使の感傷も地上へ落とす力が飛び交っているだろう
posted by youcan at 22:23| Comment(2) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月28日

12月27日

今年最後のライブだった。
ベアーズで始まって、ベアーズで終わった1年。

そういえば2005年の12月27日、あらかじめ決められた恋人たちへのワンマンのときも僕はゲストボーカルで歌った。mimiの曲にはクロセさんもギターで参加。もう1年なのだと思うとすこし感慨深いものがあった。

池永さんとクロセさんは言うまでもなくここがホームなのだろうけど、僕もベアーズが大好きだ。2006年のラストライブがこの場所で本当に嬉しかった。

出演は三組。
ウルトラファッカーズがひたすらにかっこよくて、
僕は最前列で踊っていた。
Sifnosも観る度に安定度を増していってるように思える。心から良いバンドだと思った。2月の共演も楽しみだ。

さて、僕らの出番。セットリストはこれ。

1.太陽の雨
2.背中
3.星の唄
4.ローカルサーファー
5.摩天楼

背中の時に突然ギターのチューニングが狂って、びっくりしたところまでが記憶。
あとは断片的にしか覚えていない。

ステージ正面の白いライトが眩しくて、
ふとそのなかに吸い込まれそうな気がして、
楽しいのか、かなしいのか、わからなくなった。
そのことを覚えている。



帰りは大阪からの終電のなかでひたすらに眠りこけた。列車が京都駅を出る警笛で目を覚ましてあわてて降りた。
駅前では忘年会終わりだったのか、会社員らしい人たちが笑ったり喋ったり。

嬉しいのか、かなしいのか、
彼らは知っているのかな。
そう思った。



とにかく今年はこれで終わり。
ライブに来て下さったひと、
CDを買って下さったひと、
ボロフェスタやみやこ音楽祭を支えて下さったひと、
どうもありがとう。お世話になりました。
来年もどうぞよろしく。



いまから西部講堂で2006年最後の作業。特設ステージの解体だ。西部にもありがとうを言わなくては。

posted by youcan at 12:58| Comment(0) | TrackBack(3) | 日々、時々雨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月22日

座標

田舎に帰っていた。

雪こそ降ってはいなかったが、あの真冬の灰色の空、
時折射してくるほの暗い陽光、
ずっと遠くの国道まで広がった田圃、
平日の午後に出歩くような若者も少なく、
ただひたすらに静かで、寂れて、温かさに満ちた集落。

生まれた街をこんなにも近く、
こんなにも遠くに感じたことはなかった気がする。

原風景。
二度とは帰れぬ世界、存在しない世界の話が、
僕の中から生まれる詩やメロディに絶えず隠れていた。
諦めのようなトラウマのようなイメージと気分に満ちた場所。
京都に出てきてもう何年にもなるけれど、いま、ようやく分かった。

座標の上、どこに立っているとしても、
原点(0,0)からは逃れることが出来ない。

はじめて、感謝したいと思った。


さて、今年のライブもあと二本。心残りのないように。

2006年12月24日(日)二条nano
『出会う人はその声返す鏡のような』
出演:水瓶
   ばきりノす
   とうめいロボ
   ゆーきゃん(with依田・G)
開場18:30 / 開演19:00
前売1,000円 / 当日1,500円

 
2006年12月27日(水) なんばベアーズ
出演:シフノス
   ウルトラファッカーズ
   ゆーきゃんmeets あらかじめ決められた恋人たちへ
開場18:30 / 開演:19:00
前売1,500円 / 当日2,000円

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2006年12月16日

魚になりたかった
背の青いきらきらひかる魚になりたかった
痛みをしらず 怒りをしらず 
かなしみをしらない魚になりたかった
3500円 背もたれを倒すこともできない夜行バスに
すし詰めされ ゆられ ねむれない夜に思ったのは
これが沈没船だったらどうだろう
これが海だったらどうだろう
この闇が晴れ 朝になれば
僕は新宿ではなくって
遮るものもない果てしない青さのなかにいる
酔いつぶれて明けた土曜日の歓楽街もしらず
美しい国を声高に叫ぶ醜い議論もしらず
世界を一瞬で吹き飛ばすあの天の火の標的もしらず
ただ泳いでゆけばよい
群れをなしても またひとりでも
円をえがくように まっすぐに
まばたきもせず ただ泳いでゆけばよい
そんなふうになれたらどうだろう
よろこびの意味もしらず
歌うすべもしらず
駅前のネットカフェでブログを書くような
つまらない時間のつぶし方もしらない
僕はきらきらひかる魚になりたかった
ただ泳いでゆきたかったのだ
posted by youcan at 08:25| Comment(1) | TrackBack(5) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月12日

dice

「来年2月リリース」と言っていたアルバムが、
もうすこし先になりそうだ。


出会いが人を簡単に転がしてしまう。
そこに至るまでの運命がたとえものすごく複雑にうねっているとしても、
何かが始まるときは、あの糸が切れる一瞬のうちに、
全てが起きる。


僕はこれまで、
様々なライブやイベントで、ある種の見えない粒子が時間に浸透し、空間に拡散していく様子をたくさん目撃してきた。
それは至福や歓喜としか形容の仕様がない状況で、
たとえば聖書にある、砂漠にマナが咲く光景にも似ていたように思えた。
(みやこ音楽祭、いくつかのシーンを覆っていた空気)
僕はそれを奇蹟と呼んでいた。


でも、翻ればそれは因果のなかでの出来事、
しかも因果は、偶然に支配されているようにも見える。

邂逅。
ハプニング。

偶然出会った僕らが、偶然思い付いた馬鹿げた出来事を実行に移す。
いろいろな人の思惑が絡み付いて、
進路はねじ曲がり、渦を巻き、
バネのように跳ね返って、思いもよらない方向に僕らを導く。


高円寺からの帰り道、運転中の飯田くんを眠らせないために「芸能人しりとり」をした。
飯田号はフロントに三人がけ。右から順番に名前を上げて行く。
誰かが「カダギリジョー」と言った。
早朝の、起きっぱなしのおかしなテンションの中で僕らは爆笑していたのだけど、

なぜだろう。
その後「片桐丈」の夢を見た。
(あまりに下らない夢だったのでそれは省く)
目覚めて思ったことは、
これから僕は彼に出会うかもしれない、ということ。



僕は馬鹿げたことを書いているだろう。
起きるかもしれない、起きないかもしれない出来事の可能性についてとやかく言うのは、数学に任せておけばよいのかもしれない。
でも、
かもしれないこと。
思いもしなかったこと。
そういうものを積み重ね、そして引き寄せて、
物事は進んで行くのだ。


いつも、立ち止まらないことを考えてきた。
今年は特に、がむしゃらにやった。
いままでにあったこと、なくなったこと、
得たもの、失ったものを思い返すにつけ、
結局は僕らがサイコロを振って生きていたことに気づく。

これだから人生は面白い、のかもしれない。



たくさん往復した東京⇔京都、
これで今年は最後になると思う。
前回は池永さんが都合で急遽来れなくなったが、今度は本当に「あら恋meetsゆーきゃん」。
お暇な方はぜひ。
迷ったらサイコロを振って来て欲しい。

12月16日(土)新宿red cloth
「ワイキキレコード祭り」
出演:エレキベース
   徳永憲
   ゆーきゃん meets あらかじめ決められた恋人たちへ
開場:18:30 / 開演:19:00
前売:2,000円 / 当日:2,500円(ともに1ドリンク代別途)



アルバムのリリースは、詳しいことが決まったらまた書くよ。
posted by youcan at 08:50| Comment(0) | TrackBack(3) | 日々、時々雨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月08日

(無題)

自分のキャパシティ以上のことばかりやって、
生きている。

助けられ、迷惑をかけ、
憎まれ、愛され、
そうやって生きている。


みやこ音楽祭が、終わった。

ボロフェスタで表面化した苦情の問題があったので、
音量のこと、タイムテーブルのことには特に神経質になった。
他にもスタッフのこと、去年までのみやこのやり方との違い、
解決しなくてはならないことがたくさんあった。
直前まで、いろんなことで議論が続いた。

今年五度目の、西部でのイベント。
2006年に僕が参加する最後の西部のイベント。
批判や噂は(正しいのも悪意あるのも含めて)幾つも耳にしていたので、もし今回問題が起きれば、僕が西部で遊ばせてもらえるのはこれで最後になるかもしれない、と思って関わった。
たとえみやこ音楽祭が成功し、来年再来年と続くとしても、僕にとっては西部での、最後のライブになるかもしれない。
密かに、そう思っていた。


どうだったのだろう?

当日、みんなの楽しそうな顔をたくさん見て、
看板に書き込まれた素敵なメッセージを見て、
川本くんからの報告も聞いて、
打ち上げでたくさん笑って、
きっと大成功だったのだと思い、それはとても嬉しかったけれど、

ひとつ、まだ、不安なことはある。


僕はまだ、ここに居てもいいんだろうか?
(誤解を恐れずに書く)
西部講堂の神様は、また僕を遊ばせてくれるだろうか?



昨日東京から帰って来て、4人で最後の片づけをした。
荷物をより分けている最中に、ふと、
何にも無くなったステージに上がってみた。
そういえばボロフェスタも、みやこも、
野外ステージだったのだ。

西部講堂のステージで、歌いたい。
それは嘆きと切望の入り混じった、
感傷的な気持ちだった。
感傷的過ぎて、馬鹿らしくて泣けて来たほど。

すっとここでイベントをしてきたけれど、
こんな風に思ったのは初めてだった。


ここで何かをやるには、多くの知恵と力が要る。
自分のひとりの力で出来ることなんて、ほとんど無い。
たくさんのスタッフと、出演者と、お客さんと、
ほかにも数えきれない人たちの力を借りて、
僕はこの場所に居られたのだった。

そのことを強く感じた。
そして、本当にここが好きだと思った。



とにかく、
ひとつのことが終わり、
いまは疲れ切ってひどい顔をしているけれど、
からだ中が感謝に満ちていていることは、
はっきりと分かる。
力になってくれたみなさんに、
ありがとう。
力およばず嫌な思いや辛い思いをさせてしまったお客さん、スタッフには、心からごめんなさいを言いたい。



明日はガケ書房でライブ。
明後日は東京へ行くと思う。
終わりは続きで、終わりは始まりなのだった。
話すべき、未来のことは、
無限にある気がする。


とりあえずは、
久し振りにコーヒーを点てよう、か。
posted by youcan at 19:23| Comment(4) | TrackBack(1) | 日々、時々雨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月07日

city

帰って来た街は雨
透明に屈折した闇の向こうに
何ごともなくただ濡れていた

喧噪と冒険の残骸を紙袋に詰め込んで帰り
貰い物の植木鉢に日常を掛け
火のつかない煙草を君は握りしめ
待ちわびた奇跡が安っぽいコップから毀れ
水たまり越しに煤けた髪をくしゃくしゃにし
永遠に続いて欲しいと願った和音だけが
そのほつれの中でいまも鳴っている
まだ鳴っている


ただ眠りたい、と
ぽつり
夢の中ですれ違ってしまった通低和音を探し
降り注ぐ旋律に傘をもう一度さす
帰って来た街は雨
願い事のように水滴を集めた窓ガラスに映る
何ごともなくこの街は雨
posted by youcan at 20:08| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする