2007年11月13日

LARRY HEARD

その音は甘く
粒子には粘りがあった
時間にコートされた太いビートに身体が搦め取られる気分
踊りながら眠るような
踊りながら沈むような
ずぶ濡れになってゆくような気分で
その中でいつしか
この人は"LISTENED"ではなくて
ただひたすらに"HEARD"なんだと気付いた
スピーカーの前から離れて少し休み
話しているときにも会話の中に忍び込むその菌糸たちが
部屋中のあらゆる空気を至福で埋め尽くしていた
踊らなくてもよいダンス・ミュージック
踊らなくても届くダンス・ミュージック
その音は甘くて
粒子には粘りがあって
清々しいほどの愛がありしかも一抹のドライさが絶えず残っていて
最後には椅子に腰掛けてぐったりして(きっと単純な踊り疲れじゃない)
このまま息が詰まってしまえばいいとさえ思った

明け方にクラブを出て最初に吸った空気は
晩秋をようやく迎えた街のはじまり
炭酸水のようにまだ暗く濃密で潔く
寒さと涼しさの境目で爆ぜる朝のなかで
ひと気ない木屋町通りを高瀬川に沿って歩きながら
僕はこのひとを忘れ得ないのだと知った

"HEARD"であること

まだ家には帰れないと言った僕のことを笑わないでほしい

posted by youcan at 05:59| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする