2009年02月20日

庚申通りに一冊100円で本を投売りしている店があって、
銭湯帰りの道すがらその中に掘り出し物を探すのが日課になっている。


「ことば」について考える。
自分自身のつかう「ことば」について。


常日頃あちこちに吐き散らすことば。
頭の中を夜毎、ぐるぐると低回することば。
ときどき思い立ってはここに書きつける虚仮おどしの文章たち。


レコーディングに際して、新曲を書いた。

高橋健太郎さんの、取り壊し間近の大田区の家で録音は行われた。健太郎さんはまず僕が歌うのをざっと聴き、このギターを使ったらどう?と提案してくださったりする。
一曲、クラシックギターを使おうということになったのだけど、ネックが太すぎて上手に弾けない。そのうち僕の声も枯れてしまい、作業は翌日に持ち越しとなった。
その晩、練習をするつもりが偶然、曲が書けてしまい、翌日(つまり昨日)は急遽そちらを録った。


もちろん歌詞も書き下ろし。
こないだのleteでも話したのだけど、新曲のいくつかで、ずいぶん散文的なことばを使った気がする。

僕は家に帰って布団の中で、レコーディング用にプリントアウトした歌詞のシートを見て、おびえる。
韜晦はなくなったけれど、その代わりに、ずいぶんと退屈になったかもしれない。
陳腐になったかもしれない。
いや、そうだとすれば、
もともとの陳腐さが露呈した、ただそれだけだろう。

昔に比べ、平凡さを恐れなくなった自分がいる。
(そのことには、ごく最近気づいた。そして困ったことに、平凡さを恐れなくなった自分を恐ろしいとも思うのだ。)


-話しなさい。話して話して、自分を丸裸にしてしまいなさい。あなたの言う、守るべき自己の尊厳なんて、つまらない。

誰かがこんな風に言っていた(書いていた)。


自分のことばかり書くのはいやだといいながら、今日の出来事を書くとついつい内面にまで筆が及ぶ。自分のことを語るのは、自分の「見えてなさ」をさらけ出すことと同じような気がする。

ことばは、構築しようとする僕の意図とはいつも裏腹に、ただ暴き出してゆくのだ。難しい。


違う。こんな事を書きたかったのではなくって、
ただ明日の投げ銭ライブと、あさっての石橋英子さんとのステージのお知らせと宣伝をしようと思っただけなのだ。

キーを打つ指先さえ、僕の検閲なんて聞こうとしないらしい。

とにかく明日お暇な方は夜九時、高円寺にお立ち寄りください。入場無料です。
あさっては渋谷、宮益坂。なにか面白いことをします。


posted by youcan at 01:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々、時々雨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月18日

はしりがき

レコーディングをしている。

よくもまあこんな忙しいときに、と自分でも可笑しくなって、でもよくよく考えるともう何年も前から忙しくないときなんてほとんど無かったのだ―憶えているのは、東京に来てから職も無くふらふらしていた間だけ。

この音源は、いつ出るかなんてまったく分からないけれど、きっと足跡のようなものになるだろう。できる限り自分だけでなく、「何か」(もう「誰か」でなくても構わない)にとっても意味のある足跡にしたいと思っている。


ライブが決まっている。決まっているライブでもいくつか出演者が追加になったりした。今日明日くらいにはホームページでも更新されるはずだけど、取り急ぎブログに上げておきます。


さて、また電車を3度乗り換えて下丸子まで。今日でベーシック録りは終えたいところ。
posted by youcan at 11:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々、時々雨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月07日

雑記

2/4 下北沢lete

セットリスト

1.空に沈む
2.6-1-1
3.残照
4.凱歌
5.Y.S.S.O.
6.明けない夜

7.サイダー
8.天使のオード
9.地図の上
10.sang
11.post coda

12.go go round this world
13.sea of love



来てくださったかた、どうもありがとう。
伸太郎さんも、お世話になりました。


「空に沈む」は、愛着のある曲なのだけれど、Bメロの歌詞はもう少し具体的にしたほうがいいような気もする。景色が浮かぶまで待たなくてはならない。


きのう、古賀鈴鳴さんとお話した。
直接ことばを交わすということはいいものだ、と思った。

いろいろとメールくださったかた、励みになっています。
お返事できるか自信がありませんので、ここでお礼を書かせてもらいます。


Su:、middle 9、stimのライブが素晴らしかった。
音には価値があるんだなとしみじみ思った。
そしてO-nestのテキーラ・ロックは量が多い。嬉しかった。
(しかし分かったのは強い酒でも弱い酒でも飲む総量はあまり変わらないということだ。濃度の問題ではないらしい)

posted by youcan at 08:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々、時々雨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月04日

日々の私を書くということ

これが日記ならば、日記であるからには毎日書かねばならぬところだ。


これがパフォーマンスだとしても、ブログというものは毎日書くほうが圧倒的に衆目を集めるらしい。


けれど最近はすこし分からなくなっていて、いったい僕は誰にむけて書いているのか、なにを伝えたくて書いているのか、そんな答えの出ないことに頭を悩ませてしまうようになった。


ただ詩のようなものを、退屈な箴言の出来損ないを、偉そうな勿体ぶった覚書を、暇に任せて打ち込みたいのなら、それはノートに向かってすればよいんじゃないだろうか。

ひとは、どうしてブログを書くんだろう。


さらに言うと、自分の中からこぼれだした言葉やメロディをただ吐き出したいだけだとすれば、それは家で部屋で独り、あるいは聴かせたい相手にだけ向けてやればよいんじゃないだろうか。

僕は、どうして人前で歌うんだろう。


今更ながら、いろいろと分からないことがある。



見汐さん(埋火)に相談した。
彼女は僕が乗り越えなくちゃいけないのは自意識の壁だというようなことを指摘してくれた。


先日、recommuniから、bikkeさんと近藤さん(LOVEJOY)にインタビューする機会をもらった。
大先輩であるおふたり(ラブジョイは京都時代からほんとうに憧れだった)は、ただ謙虚に音楽と向き合う姿勢を見せてくださった。


今日、石橋英子さんにお会いした。
石橋さんは(ほぼ初対面にもかかわらず)僕のどうしようもない悩みにちゃんと耳を貸してくださった上に、山本精一さんは"しょうがないから歌うんだ"と仰っていたよ、と。


とりあえず、まだ頭も気持ちも整理がつかぬにせよ、この邂逅たちは本当に嬉しいことで、誰かに知らせたくてたまらないので、ここに書き留めることにする。


なんとも、矛盾ばかりの人間である。


*ラブジョイへのインタビューは
http://recommuni.jp/feature/index.php/20090129
に掲載されています。フリーダウンロードはもう直ぐ終わるかもしれませんが、とてもいいインタビューなので読んでみてください。

石橋さんとは21日、一緒にライブします。どうなるかはまだ分かりませんが・・・。

見汐さんとは26日対バンです。それから埋火を3月に名古屋へ連れて行きます(詳細はまもなく)。

こういうお知らせばかりを書いておくのが無難なのかなと思いつつ、それだけでは面白くないに決まっているので、なんとも展開が難しいなと思っています。


posted by youcan at 02:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々、時々雨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする