演奏が終わって、二階の楽屋へ戻って来て、すぐにゆにさんが笑いながらソファに飛び込んだ。ゆーきゃんの後ろで演奏するのは、ほんとうに大変なのだ。難しいプレイは何も要求されないはずなのに、どんなテクニカルなバンドよりも疲れるらしい。かく言うぼくは、ゆーきゃん以外をやったことがないから、本当はよくわからないんだけど。
帰り道では、田代くんと「あと三曲くらいやりたかったですね」なんて話していた。もうちょっと演奏したかった、なんて思ったのも、生まれて初めてかもしれない。それほど楽しかったんだと思う。
なぜかアキクボが「こんないい夜、もっとお客さんが来るべきなのに!」と、ちょっと怒っていた。いや、それはぼくの不徳の致すところで...いつもアキクボは、ぼくのかわりに憤慨してくれるのだ。友情と言うかなんというか、でも、とてもありがたい。でも、あの日のキツネの嫁入りこそ、もっとたくさんの人に見てもらいたかったなあ。ごめんよ。以外にも磔磔は初めてだったという彼ら、いままで観たなかでいちばんクリアな音像で、プログレッシヴな楽曲とタイトな演奏が見事に引き立っていた。またあそこでやってほしいな。
ステージ上でもちょっと触れたけど、SAKANAの西脇さんには『ひかり』以来、リリースのたびにコメントをいただいてきた。『あかるい部屋』はあえて誰にもコメントを求めなかったのだけれど、その代わりというか、ようやく京都でSAKANAと共演することができた。七年ぶり、くらいだろうか。ポコペンさんも西脇さんも、いつお話ししても本当に素敵な空気。音楽はさらに言うまでもなし。聴きたい曲も聴けて満足。いつまでも目標‐いや、いつまでもただのファンです。
『あかるい部屋』発売記念公演、一夜目からこんな愉快な気持ちになってよかったのだろうか、と、あれから四日経ったいま、すこし不安になったりもしている(損な性格!)うちに、もう第二夜がすぐそこだ。
2013年1月26日(土)名古屋k.d.japon
http://www2.odn.ne.jp/kdjapon/
共演 YOK / シラオカ
開場 18:00 / 開演 18:30
前売 2,000円/ 当日 2,500円 (ともに1ドリンク代別途)
ゆーきゃんバンドは今回から、田辺玄(WATER WATER CAMEL)さんがギターで参加してくれます。もちろん森ゆに / 田代貴之 / 妹尾立樹の三人は引き続き。ゲストは一昨年のアルバム『Days With Hearts』がめちゃくちゃ素晴らしくて(夏はこれを聴いて乗り切った)いつか共演したいと思っていたYOKさんと、『ロータリー・ソングズ』のレコ発の時も出てくれた‐というよりいつもお世話になりっぱなしのシラオカ。会場は、名古屋といえばハポンしかありません。またも素敵な夜になるよ。予約は<youcan[at]h2.dion.ne.jp>まで!!