2014年05月25日

「うたをやめるな」

 先週の日曜、「いつまでも世界は…」に出演してきました。

 前々日にようやく参加できるかどうかが確定し、こちらにも書きこもうと思ったのですが、サーバーのメンテナンスか何かが理由で投稿できず、結局はFacebookだけでのお知らせになってしまいました。後から知った人、ごめんなさいね。
 ライブは、正直、もっとできたなあ…という反省が残るものだったように思います。書きかけの新曲をやってみたりもしたのですが、日々の暮らしに追われるなかではブルースも覚悟も揺らいでいたのでしょう、もがいているうちに時間が過ぎて行った気がしました。ただ、最後の「エンディングテーマ」で、内側からいろんなものがばらばらになってゆく感覚があって、あの35分は(少なくともぼくにとっては)何にも考えずにマイクの前に飛び出していった、あの瞬間のためにあったのかもしれません。

 ともあれ、不完全燃焼だと口惜しがっているところに、なんと白波多カミンちゃんが誘ってくれて、彼女の出番(さらさ花遊小路のトリでした)のアンコールで二曲参加させてもらえることになりました。「最後の朝顔」そしてピアノでサポートしていたハジメタル君も交えて浅川マキ「それはスポットライトではない」のカヴァー。自分の書いた曲が誰かに歌われているのを聴くのはそれだけで嬉しいことなのに、それにもましてカミンちゃんの声が詩とメロディに非常にマッチしていて、演奏中に、あー曲が喜んではるなあ、と思いました。浅川マキも楽しかった(ぼくはつのだ☆ひろのパートを歌いました、とだけ書くと笑いをとってるだけのように思われてしまうので、原曲のYOUTUBE貼っておきますね)。もうぼくのことなんて知らないであろう、白波多カミンのファンの方々にもこのセッションは好評だったようで、なによりでした。カミンちゃんありがとう、またどこかで一緒にできたらいいな。



 目撃したライブは、THEラブ人間、ピアノガール、竹上久美子、松ノ葉楽団、出町柳ウクレレクラブ、キツネの嫁入り、モケーレムベンベ、SHAKIN' HIP SHAKE、BAA BAA BLACKSHEEPS、tobaccojuice、ドリアン、白波多カミン、そしてザ・シックスブリッツ。どのアクトもすばらしく、とくに京都の若いバンドたちから溢れる個性には大きな頼もしさを覚えました。産休明けの竹上久美子ちゃんを観れたのも嬉しかったですし、いちばん笑ったのが、出町柳ウクレレクラブを率いる元チェルシーの竜さん。昼下がりの新京極商店街の空気が一気に緩むようなおおらかな演奏なのに、ウクレレのカッティングのキレの見事なこと!知り合ってから長いということもありますが、ふたりとも本当に自然体の演奏で、人生と音楽がきれいに重なり合っていったんだなあと、いま思い出してもちょっと羨ましくなります。

 京都を離れてからまだ半年も経っていませんし、最後にライブをした日から数えてもたったの二カ月です。それなのに、なぜだかもうすでにひどく懐かしい(ように思える)友人たちにたくさん会いました。四条通のアーケードに降り注ぐ日曜日の夕陽も、飲み明かした木屋町の路上で浴びる朝日も、あの頃となんにも変わらないはずなのに、ずっと遠い昔の引き出しから取り出したような気がしました。変ですね。

 ミューズホールでの打ち上げで片山尚志くんと話したことが、印象に残っています。彼は云いました―

 ゆーきゃんのルールは、うたをやめへんこと。それだけやで。つまらん奴になんて、ぜったいならへん。

 片山は、同い年です。ブレイカーズという京都屈指のライブバンドを率いて、何年も何年も、日本中を駆け回っています。ずいぶんと華々しい舞台を踏んでいるように見えますが、そのぶん泥のなかを這い進むような苦労も絶えないであろうことは想像に難くありません。活動してきたフィールドも違いますし、セールスや人気では足元にも及ばないながら、ぼくは勝手に戦友だと思ってきました。そんな彼が、遠く離れても、どんな人生をたどっても、とにかく歌い続けなさい、おれはそれを待っているんだと云ってくれたのが、とにかく重みをもって響きました。
 
 富山に戻って、あいかわらず慣れない仕事は失敗ばかり、それでも帰宅後にはギターを引っ張り出して、昨日、ようやく新曲を書きあげました。このところpains of being pure at heartの新譜が気に入っており、そればっかり聴いているので、ちょっとはギターポップ感が出るかしらと思いつつも結局やっぱりエモい方に流れてしまって、我ながら苦笑。でもこれまでのゆーきゃんとはちょっと違うテイストも出たかと思います。いつせかで歌った奴はもう一度(とくにギターのアレンジを)練り直すつもりです。夏くらいまでにはレコーディングに入れるくらいのストックを作りたいと思っています。

 そういえば、シックスブリッツのアンコールのときに、人生初ダイブをしました。ちっとも上手にできなくて、ステージ上からマモルくんに名指しで笑われました。何もかもがかっこよく決まらない男ですよ、ええ。それにしても大成功に終わってよかったね、マモルくん。また来年もがんばろう。


 来月は、富山でDJをします―いや、お世辞にもDJとは云い難いようなものになると思いますが、すてきな二組のライブの空気をぶち壊さないように、とにかくいい曲をいっぱいかけるつもりです。にしても、キャメルとアスナくんをどうやって繋ぐかは難問だぞ…がんばりますので、お時間のあるかたはぜひ。

 6/8(日) 「めざめ vol.3」
LIVE:WATER WATER CAMEL,ASUNA
DJ:ゆーきゃん
ごはん:niginigi

会場:ほとり(富山県富山市中央通り1丁目2-13-2F)
開場:18:30 / 開演:19:30
料金:3,000円
予約:o.awakening.jp@gmail.com
※お名前、人数、電話番号を明記の上、メールにてお申し込みください。ご予約受付メールをお送りします。

WATER WATER CAMEL http://waterwatercamel.com/
1995年に中学のクラスメイトで結成されたロックバンド。メンバーは齋藤キャメル(vocal,guitar & songwriting)、田辺玄(guitar,ukulele,banjo & effects)、須藤剛志(wood&electric bass)。楽曲の制作から録音編集、また多彩なイベントの企画等を10代の頃から自ら行い、それら長年に及ぶインディペンデントな活動は、人と場所に密接であり、自由である。独自の強力なネットワークで小学校、洋裁学校、植物園、本屋、お寺など、異色のステージを網羅し、日本各地の文化を担う人々を惹き付けている。2012年5月、4枚目のアルバムとなる「おんなのこがわらう時」をP-VINEよりリリース。2014年4月にはミニアルバム「分室2」をリリース。


ASUNA (アスナ):
古いリード・オルガンとエレクトロニクスによるドローンを主体として制作された数々のカセット・テープ作品が、ロス・アプソン?や、クララ・オーディオ・アーツといった名物レコード・ショップにおいて話題を集め、フィールドレコーディングと牧歌的な電子音響作品によって知られたスペインのラッキー・キッチン(Lucky Kitchen)よりアルバム"Organ Leaf"を発表し、CDデビュー。それと前後して、語源から省みる事物の概念とその再考察をテーマとして「Organ」の語源からその原義を省みた「機関・器官」としてのオルガンを扱ったインスタレーション作品"Each Organ"を発表し、音楽/美術の両方面から注目を集める。(なお、音源としての"Each Organ"が円盤レーベルより今年正式にCD化、復刻発売された。)
以降、アメリカ、イタリア、イギリス、日本など国内外問わず多数のレーベルより作品を発表。プリペアドされたリードオルガンとエレクトロニクスによるドローンを主体としつつ、ギターやクラリネット、チェロ等の様々な生楽器と電子音響が絡み合った作曲作品から大量の玩具楽器やカシオトーン、サンプラーを使ったジャンクでローファイな作品まで、多様かつ両極端とも言えるスタイルをテーマごとの手法を突き詰め、緻密に練り上げることによって、様々な仕掛けとともに不断に展開し、聴くもの意識に働きかける作品として一貫した特徴を持つ。
近年の活動では、美術作家であり元WrKの佐藤実-m/s、電子音響ユニットのOpitope/畠山地平、鳥取出身の電子音楽家のシバタなどとの共演によるライブ/共作によるアルバムを多数発表。さらに、名古屋のGofishのアルバム/ライブでの客演や、米ニューヨークの元Great White Jenkinsのアンディ・C・ジェンキンスのアルバムにも参加。ライブでは元BusRatchのヤマモトタカヒロとのデュオやSJQのSonirとのデュオでの演奏を継続して行うなどコラボレーション・ワークも頻繁に行う。minamoの安永哲郎、The Medium Necksの飛田左起代、Irving Krow Trio、Hochenkeitのジェフ・フッチィロとジェイソン・ファンクとともに結成したアヴァン・ロック・バンドのHELLLも現在アルバムの発表を控えている。さらに、佐藤実-m/sとASUNAに美術作家の沖啓介を加えたユニットのValve/Membranceとして、ドイツでの「transmediale 2008」、ベルギーでの「Happy New Ears 2008」、スロヴェニアでの「International Festival of Computer Arts 2012」への招聘を受け参加、HELLLやThe Medium Necksらとのアメリカ/カナダ・ツアーや韓国ツアー、2013年秋には一ヶ月以上にも及ぶヨーロッパ・ツアーを成功におさめるなど海外での演奏活動も盛んに行っており、海外リリースの多さや海外アーティストとの度重なる共演からも分かる様に、ワールドスタンダードなインスト・ミュージックとして、高く評価され続けている。
並行して、カシオトーン・コンピレーション・シリーズや加藤りま、The Medium Necksの単独作などをリリースする 3 inchミニCD専門レーベルaotoao、カセット・テープ専門レーベルWFTTapesを運営。(www.aotoao.jp)
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2014年05月05日

二十二世紀には誰にも会えなくなるんだから

 毎朝六時に起きてバスに乗り、夜も更け始めてから部屋に帰ってくるという生活です。すぐに音をあげるんじゃないかと思っていたんですが、意外にも乗りきれているようです。もちろん消耗感もあり、味気なさもあり、自由が恋しくもあり、すんなりと適応できているとは云い難いところはあるけどね。

 シャムキャッツの新譜のタイトルトラックの歌詞に「思ってたよりもすごい早さで全てが普通になってゆく」というフレーズがあって、ああ、いままさにこんな感じだなあと思っていた折も折、風のうわさでこの「アフターアワーズ」という曲が、ぼくのことを(も)歌っているんだという話を聞きました。夏目くんはどうしてそんなことまで分かるんだろう。ちぇっ。



 ところで、いまの部屋にはレコードプレイヤーしかなくって、CDはもっぱらクルマのなかで聴きます。制限速度六〇キロの国道を長距離トラックや帰路を急ぐ人たちに交じって走るのが怖くて、通勤では自動車を使わないかわりに、帰宅のあとで友人たちの奏でる音楽を聴きたくなって、どこに行くでもなくドライブへ出かけたりしています。まさかぼくが「ドライブ」なんて単語とかかわり合いになる、なんて思いもよらなかったけれど、流れてゆくテールランプとあの子の歌声が重なる瞬間とか、一面の田んぼで大合唱する蛙とあいつのストロークのコントラストとか、けっこう素敵な時間を味わわせてもらっています。悪くないです。



 というわけで先月よく聴いた音楽は、家のなかではボブ・ディラン『アナザー・サイド・オヴ〜』とキース・ジャレット『ケルン・コンサート』そしてアメリカン・アナログ・セットの『プロミス・オヴ・ラヴ』。車内ではよしむらひらく『67年のラブソング』、白波多カミン『くだもの』、そしてこのシャムキャッツ『アフターアワーズ』でした。そういや家でもクルマでもベルセバは聴いたなあ。やっぱり疲れてんのかな、おれ。



 ボロフェスタも、いつまでも世界は…も、いまの自分に可能な範囲で参加しています。こうしたい!というような想いをぶつけ合えるほどには余力と時間がなくって、けっきょくはほとんど何もできず申し訳ないなあと思ったりもするのですが、ぼく抜きでも各主催陣は精力的にものごとを進めていて、非常に頼もしく、ちょっとだけさびしいです。みんな遊びに行ってね。

 一昨日には富山市内でサーキットイベントがあり(地元のバンド、RED JETSが主催だったとのこと)、旧知の友人たちも出演するというので、観に行ってきました。と云いつつ土地勘がまったく無くなっていて、西町の只中で道に迷ってしまい(恥ずかしい…)、どうにか観れたのは金佑龍とラブ人間だけでしたが、どちらもさらに成長を遂げたような、覚悟を背負ったような見事なステージで、ぼくもがんばらなくちゃなと、背筋が伸びる思いでビールを呷っておりました。それにしても、やっぱり富山で友人たちのライブがあるのは嬉しいです。来月はキャメル、再来月はなつやすみバンドも来てくれるみたいで、非常に楽しみにしています。

 そんなこんなで、いまのところは娑婆の空気に慣れるだけで手いっぱいな感じは否めないながらも、その分だけますます歌への思いは募るわけです。日々あたまのなかで曲の断片が流れ去ってゆくのを、必死で録りためています。こういうときにiphoneのボイスメモは便利。いい塩梅にロウファイな音質も嫌いではないし、もしかしたらこれで一枚アルバム作れるんちゃうかな。ただ、悩みは歌詞が書けないこと。自分自身がどんな景色のなかを泳いでいるのか、見たり聴いたり話したりしている現在がどんな質感と音色を持っているのか、どうやらまだうまく飲み込めていないみたいなんです。もうすこしなんだけどな、きっと。

 歌詞が書けないから、というわけではないのですが、先月はカヴァー曲のリリースがありました。レコード・ストア・デイの関連企画で、京都の板前さんが率いるバンド、ねじ梅タッシと想い出ナンセンスによる7インチ「チミに幸あれ」のB面に同曲のカヴァーで参加しています。

http://diskunion.net/jp/ct/detail/1006158360

 以前は、レコード・ストア・デイ関連作は店頭のみの販売だったんですが、いまでは通販できるようになったようです(発売一週間後から?)。興味のある方はぜひ。タッシの書く曲は飾りも衒いも一切なく、ぼくには絶対使えないようなシンプルな物云いがとても素敵で、カヴァーできることをうれしく思いました。

posted by youcan at 14:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々、時々雨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする