2014年が明けてすぐ、田舎へ戻ってきた。高校を卒業してから十数年ぶりになる地方都市での暮らし。「こっち帰ってくんがなら、クルマないと生きてけんよ」と言われていた通り、ほとんど自転車と市バスだけで京都市内を移動していた生活に交通革命が起きた。あわてて教習所に通い、オートマ限定で手に入れた若葉マーク。最初のころは国道に乗り入れることさえ恐ろしく、できるだけ運転したくない!と思っていたけれど、ようよう慣れるにつれて、窓の外に流れる田園風景を楽しんだり、回り道して海を見に行ったりするような余裕が芽生えつつある。
クルマ社会が形成されて以来、地方で生きる人たちが当然のように享受しつづけてきた特権−車窓越しに見る昼下がりの田んぼの、夕暮れの国道の、真夜中の点滅信号の連なりの、なんてことのない空の、圧倒的な美しさ。観光パンフレットにも載ることのない、ありきたりな帰り道の景色が、あまりにも壮麗すぎて思わず路側帯沿いに車を停めてしまうことが、この一年足らずのうちに何度あっただろう。
さらには、音楽だ。後部座席がいっぱいになるほどCDを持ちこんで、i-tunesからカーナビにどっと曲を流し込んで、ときには大声で一緒に歌ったりしながら車を走らせていると、ある瞬間ふと、スピーカーから流れてくる音楽と、車窓の向こうの風景が、シンクロして見える/聴こえることがある。
そのときの、何かが迫ってくるような、落ちてくるような感覚を、ことばにすることができるか。中古のスズキ・ジムニーの窓の上での、景色と音楽の運命的な出会いについて、誰かに語ることはできるのか―じつは、ある雑誌からお話をいただいていながら、主に個人的な事情により凍結となってしまった連載企画の卵がある。ループするピアノで幕が開き、「夕暮れ時を二人で走ってゆく」という歌い出しから世界のすべてが動き出す、ぼくの人生を大きく旋回させた35分の大曲の一節が、そのエッセイの主旋律になるはずだった。何千部という紙面を借りて響かせることはまだできていないし、もしかしたらもう永遠にそんな機会は来ないかもしれない、とにかくあいつはもう終わったという声が聞こえ始めたら(まあべつにそう言われてもたいして口惜しくはないけど)、きみは、ただぼくに会いに来ればいい。たとえ聴こえるか聴こえないかのぎりぎりの線上でさえも、<うた>が止むことなんて絶対にないと分かるはずだから。ほら、みやこ落ちではなく、退却でもなく、転進でもなく、ぼくはいまも半分夢の中を隅から隅まで駈けているところなんだ。
◇11月23日(日) 富山 フォルツァ総曲輪・ライブホール
「Rachael Dadd + ICHI Japan Tour 2014」
出演:Rachael Dadd + ICHI / ゆーきゃん
開場 18:30 / 開演 19:30
料金 2,500円 *ドリンク代別
◇12月6日(土)京都 livehouse nano
「mogran'BAR 田中亮太大爆発」
ライブ:吉田ヨウヘイgroup / ゆーきゃん
DJ :田中亮太 / 横地潤一 / 426 / 明和真也 / Tomoh / Hasegawa Tomohiro
VJ:山本和世 / TR3
開場 17:00
料金 2,000円 *ドリンク代別
◇12月20日(土) 池袋 ミュージックオルグ
「my letter 1stアルバム レコ発企画」
出演:my letter / ゆーきゃん / HELLO HAWK / H MOUNTAINS / Taiko Super Kicks
開場 17:30 / 開演 18:00
前売 2,000円 / 当日 2,500円*ドリンク代別
チケット予約:my_letter@excite.co.jp
◇12月29日(月)名古屋 新栄Hunny-Bunny
「ゆーきゃんとそふてろとよっく。」
出演:ゆーきゃん / ソフテロ / YOK.
BGM:TSURU(N2B/Kompis) / ryohei(cafe & bar Drawing)
開場 19:00
チケット 1,500円 *ドリンク代別
◇12月30日(火)京都 livehouse nano
出演:ゆーきゃんaka rui heya band / chori(band)
opening song of the world for you:よしむらひらく
詳細未定