2007年12月20日

回顧

誰よりも小さな声を探してステージに上っていた
言いたいことはある だが何だったか思い出せない
それを歌うためにステージに上っていた
この無為な日々を誰が赦すだろう
僕を抜きにして誰が赦すだろう
鏡のように足下のモニターを見つめ
誰よりも小さな声は師走の黎明のように空疎
無限の感情と環状の夢幻と
とにかく
謳えないことばを こぼれ落ちる音像を 終わりの終わりの始まりを
冷たくあたたかくたたえる夜の果ての闇のように
さながら叫ぶためにステージに上っていた
この無為な歳月を誰が赦すだろう
この無為な鼓動を誰が聞くのだろう
幾星霜を積み上げて積み上げて流れ去ったあと滑稽に散らかる部屋の片隅
僕は逃げないそれぐらいしか後はできないけどと書いた23歳のノートの筆跡
ステージを下りれば小さな声は掻き消され
整然としないことばたちは悲しみと苛立を呼ぶだけ
結局は何度となく逃げた足跡は
ただそのままで
何度も何度も繰り返してきた呼吸の名残と
何度も何度も繰り返すであろう呼吸の可能性を
ただそのままで
いつか惨めさを喜びに
愚かさを優しさに変えることを願うようになった
知るようになった
そう
君を抜きにして誰が許すだろう
僕を抜きにして誰が歌うだろう
ただそのままで

同じほど無為な夜と朝とが流れ尽くした後で
まだ小さな声がステージの端に見つかるのなら
僕はそれを拾って 一切を許したい
ただ師走の黎明のように横溢することばに出来ぬ何かをいつか言い当てたいと
想っている


posted by youcan at 06:55| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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