2014年01月13日

The words of some poets are written in whisky

 富山の寒さや雪や路上に散布される融雪装置の噴水にもようやく慣れてきた気がするんですが、今週はまた京都へ行きます。

 明後日15日、choriと二人で始めた「ににんが詞」というイベントがあるのですが、これはライブではなくて「歌詞」についてあれこれ話すという、ワークショップのような、トークセッションのような、曲の聴かせ合いのような一晩です。

 https://blog.dion.ne.jp/pages/my/blog/article/regist/input

 前回、サンボマスターの「美しき人間の日々」をぼくが持ってきて「この曲、大好きなんです。でも、本当に<良い歌詞>と言いきれるかどうか、正直わかんないんです。だから、この歌詞が<よい>のかどうか、<よい>のだとすれば、その<よさ>について教えてください」と言ってから、みんな(ご来場の方を含む)に聴いてもらい、少しのあいだ話し合うということをやりました。

 もちろん<好き/嫌い>だけで充分なんだ、という大前提は重々承知しています。それでもみんなの考えを聞いてみたかったというぼくの病的な面倒臭さは、けれど、予想を超える多様な意見で見事に報われたのですが、choriの面白さは「じゃあ、これ、リライトしてみましょうよ!」という提案をくれるところです。「美しき人間の日々」を、ぼくらが各人なりに書き直してみるとどうなるのか?―かくして「詞の大学」初の宿題が出されました。

【1月の課題】
・サンボマスター「美しき人間の日々」リライト
該当曲の「詞」をあなたなりに「リライト」してください。言い回しや構成を変えてもいいし、テーマやモチーフだけを使ってまったくのゼロから書き直してみてもかまいません。可能であれば、当日それをプリントアウトしたものを数部〜十数部ほどご持参いただけると助かります。※このコーナーはプログラムの一部です。この日一日を通したテーマではありません。また、リライトは強制ではありませんので「書けなかったー!」という方もどうぞお気軽にご参加ください。(引用:nanoホームページより)


「美しき人間の日々」
http://www.youtube.com/watch?v=P6bn-Xh4P2k

 おかげで、毎日この歌詞のことばかり考えています。バスに乗りながら、電車を待ちながら、ご飯を食べながら、携帯に打ち込んだり、反故の裏に書いてみたり…なにもないところからイメージを刻みつけ、立ち上げ、膨らませてゆくいつもの作詞とちがって、ひとつの出発点が決まっているこのやり方はとても新鮮ですが、同時に非常にむずかしい(その昔、とあるコンピのためにあがた森魚さんの「赤色エレジー」のリライトをやったことがあるのですが、逐語訳のようになってしまって以来すっかり敬遠してきたという経緯もあります)。書いているうちにどんどん原詞とは関係のない世界に向かっていて、いまこの時点では、いったん書き上げた詞を「はたしてこれでいいのだろうか?」と首をひねりながら眺めているところです。


 <詩は謎の種であり、読んだ人はそれをながいあいだこころのなかにしまって発芽をまつ…(中略)どんな芽がいつ出てくるのかをたのしみにしながら何十年もの歳月をすすんでいく。いそいで答えを出す必要なんてないし、唯一解に到達する必要もない>
 

 これは、昨年たまたま本屋で手に取った渡辺十絲子さんの『今を生きるための現代詩』に書かれていたことです(ちなみに詩の入門書が好きでなぜか十数冊も持っているんですが、いつまでたっても初級以降に進めない)。ポップソングの歌詞は現代詩よりもはるかに平易なことばで書かれていますが、だからといってけして咲き切ってしまったり、すべて実になってしまったりしているわけじゃない。発芽を待つ種はどんな詩/詞のなかにもかならず留まっていて、今回の試みは<あなたがこの種の促成栽培をするなら、どんな風に発芽させますか?>という遊びといってもいいのかもしれません。そう思うとchoriめ、詩人らしいことを提案してくれるじゃないか、と嬉しくなってきます。


posted by youcan at 20:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々、時々雨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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